LOX-index検査は、動脈硬化の将来リスクを評価できる検査として近年注目されています。
一方で、「通常の血液検査と何が違うのか」「本当に信頼できる指標なのか」と疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、LOX-index検査の仕組みやエビデンスを整理したうえで、人間ドックで受ける意義や検査費用、結果の見方について分かりやすく解説します。
LOX-index検査とは
LOX-index(ロックス・インデックス)検査とは、動脈硬化(アテローム性動脈硬化)の進行に関与すると考えられている「酸化変性LDL(LAB)」と「LOX-1」の量を測定する血液検査です。2つの物質の測定値をもとに、動脈硬化の進行リスクや、将来的な発症リスクを評価します。
LABとLOX-1は動脈硬化の進行とともに増える物質であり、LOX-index検査を受けると動脈硬化を初期段階から評価できることが特徴です。脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクも分かるため、早期の発症予防や生活習慣を改善するきっかけになります。
LOX-index検査の仕組み
LOX-index検査では、血液中に含まれるLABとLOX-1という2つの成分を測定します。
LABは、いわゆる「超悪玉コレステロール」とも呼ばれる酸化変性LDLコレステロールで、体内で酸化が進んだLDLの状態を示す指標です。
LOX-1は、酸化したLDLと結びつく受容体の一種で、血管の炎症や動脈硬化の進行に関与すると考えられています。
この「酸化の程度(LAB)」と「血管への影響(LOX-1)」の両方を調べることで、将来的な動脈硬化の進行リスクを推定します。さらに、その結果から脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを評価する仕組みです。
LABとLOX-1の値がともに小さい人は、動脈硬化のリスクが比較的低い状態と考えられます。反対に、LABとLOX-1の値が大きい人は、将来的に脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高い可能性があります。
LOX-index検査を受けられる場所
LOX-index検査は、全国の医療機関で受けられます。人間ドックや健康診断のオプション検査として提供されているケースが多く、2025年10月時点の導入数は2,876施設です。
LOX-index検査を受けたい場合は、人間ドックや健康診断を受ける際、医療機関に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
LOX-index検査の人間ドックにおける必要性
幅広い検査内容をカバーできる人間ドックにプラスして、LOX-index検査も受ける必要があるのか?と疑問を感じる方もいるかもしれません。
しかし、脳梗塞に代表される脳血管疾患や、心筋梗塞に代表される心疾患は年間死亡者数が多い病気です。LOX-indexで発症リスクを評価する意義は大きいといえるでしょう。
厚生労働省が公表する2022年の脳血管疾患・心疾患の粗死亡率(人口10万対)は以下のとおりです。いずれも死亡原因の上位を占めており、がんと並んで重要な疾患といえます。
| 疾患名 | 粗死亡率(人口10万対) |
| 男 | 女 |
| 脳血管疾患 | 89.7 | 86.6 |
| 心疾患 | 190.5 | 191.3 |
| 悪性新生物(腫瘍) | 376.5 | 259.1 |
参考:厚生労働省ホームページ「2.三死因(悪性新生物<腫瘍>、心疾患、脳血管疾患)による死亡の状況」
とくに以下のような特徴がある方は、LOX-index検査を定期的に受診し健康管理をすると良いでしょう。
- 肥満が気になっている
- タバコをよく吸っている
- 食事が塩分過多気味である
- 運動習慣がない、またはたまにしか運動していない
- 高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの病気がある
LOX-index検査は未病の段階から、動脈硬化のリスクを評価し、脳梗塞・心筋梗塞の予防に役立ちます。自分の健康状態を把握するとともに、検査結果をもとに生活習慣の改善に努められることがメリットを考えると、オプションとして検討する意義は十分にあるでしょう。
LOX-index検査のエビデンス
LOX-indexは、日本人を対象に一定期間追跡して行われた研究において、将来的な心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクとの関連が報告されています。
ある研究では、LOX-indexが高値の群は、低値の群と比較して、心筋梗塞の発症リスクが約2倍・脳梗塞の発症リスクが約3倍であったとされています
これらの結果から、LOX-indexは動脈硬化の進行や、将来的な脳・心血管イベントのリスク評価に役立つ指標の一つと考えられています。
参考:LOX-index公式ホームページ「LOX-index値は心血管疾患および脳梗塞の発症と有意に相関がある」
LOX-index検査の流れ
人間ドックでLOX-index検査を受けるときは、以下の流れで検査の申し込み~受診を進めましょう。
- LOX-index検査の予約申し込み
LOX-index検査を提供している医療機関を見つけて、人間ドックとLOX-index検査の予約申し込みをします。
- 採血
受診日当日に来院して受付を済ませます。 LOX-index検査に必要な採血量は2〜5mL程度と少量で、通常の血液検査と同程度です。 人間ドックとあわせて受ける場合は、同時に採血することが多いです。
- 検査結果の受け取り
検査後、2~3週間程度の期間をあけて検査結果(結果報告書)が送付されます。結果報告書には脳梗塞・心筋梗塞のリスクや改善指導などが記載されているため、届いたら必ず確認しましょう。
LOX-index検査の費用
LOX-index検査は保険適用外の自費診療であり、検査にかかる費用は受診する医療機関によって異なります。費用相場は税込13,000~16,000円程度です。
また、LOX-index検査とあわせて人間ドックやその他のオプション検査も受ける場合は、該当する検査の費用もかかります。人間ドックやオプション検査の費用も医療機関ごとに違いがあり、受診する検査全体にかかる費用を調べることがおすすめです。
人間ドックの検査費用は、コースに含まれている検査内容で大きく異なります。がんや生活習慣病のリスクを把握することも健康維持には欠かせないため、気になる疾患について調べられる人間ドックのコースとLOX-index検査を組み合わせるとよいでしょう。
LOX-index検査の基準値
LOX-index検査では、以下の3つの値を測定しています。
- LAB…酸化変性した悪玉コレステロール
- LOX-1…LABを血管の内側に取り込むタンパク質
- LOX-index…脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを評価する指標
なお、実際の検査結果ではLOX-1の値が「sLOX-1」と表示されます。sLOX-1とは、血液中に溶け出しているLOX-1のことです。
LOX-indexの値は、以下の式のようにLABとsLOX-1の値を掛け合わせることで算出します。
LOX-index=LAB(μg cs/mL)×sLOX-1(pg/mL)
たとえばLABが2.0μg cs/mL、sLOX-1が300pg/mLの場合、2.0×300=600がLOX-indexの値です。
LOX-indexの値は、「低リスク」「中リスク」「中高リスク」「高リスク」の4段階でリスク評価がされます。各リスク評価の基準値は以下のとおりです。
| リスク評価 | 基準値 |
|---|
| 低リスク | 1,068以下 |
| 中リスク | 1,069~7,160 |
| 中高リスク | LAB、sLOX-1のいずれかが高い ・LAB高:8.0μg cs/mL以上 ・sLOX-1高:1,441 pg/mL以上 |
| 高リスク | 7,161以上 |
たとえば、LOX-indexが600の場合「低リスク」と評価されます。
LOX-indexが7,200の場合は「高リスク」となります。
参考: LOX-index公式ホームページ「LOX-indexをご受検いただいた皆様へ」
LOX-index検査の結果の見方
LOX-index検査を受けると、およそ2~3週間後に検査報告書が送付されます。
報告書は表紙・中面左・中面右・裏面の4ページ構成で、主に中面左と中面右に検査結果が記載されています。検査結果は分かりやすくまとめられているものの、初めての検査で読み方がよく分からない方も多いでしょう。
最後に、LOX-index検査の結果の見方を解説します。検査結果の読み落としがないように、手元に届いた報告書と照らし合わせながら確認してください。
参考:株式会社プリメディカホームページ「LOX-index(R)報告書サンプル」
LOX-index検査の総合評価
結果報告書の中面左には、上側に受診者の本人情報や受診日・カルテIDがあり、中央に「総合評価」が記載されています。
総合評価はLOX-indexの測定結果とともに、脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを「低」「中」「中高」「高」の4段階で評価しています。
総合評価の右側にあるのは「横軸:LAB」「縦軸:sLOX-1」で低~高までのリスク評価を色分けしたグラフです。グラフ上には今回のLOX-indexの測定結果(2回目以降の場合は前回・前々回も含む)がマーク付きで示されていて、自分の測定結果がどの位置にあるかを視覚的に理解できます。
また、下側の「総合評価コメント」は、LOX-indexの値をもとにしたリスク評価を解説する項目です。自分の動脈硬化のリスクや将来的な脳梗塞・心筋梗塞の発症リスク、予防・改善のために心がけるべき生活習慣などが分かります。
LOX-index検査の個別評価データ
結果報告書の中面右には、sLOX-1とLABの測定値を詳細に記した「個別評価データ」があります。それぞれの測定値をもとに、考えられる動脈硬化の進行状態や理想的な値とどの程度離れているか、前回からどのように変化しているかなどが分かる内容です。
また、sLOX-1やLABが高くなる要因や、値を下げるために行うべき対策についても記載されています。LOX-indexやsLOX-1・LABの測定値が高いという結果になった人は、記載されている対策方法をよく読んでおきましょう。
LOX-index検査受診後の対応フロー
結果報告書の裏面には、「検査後の対応」というリスク段階に応じた対応フローが記載されています。高リスクや中高リスクと評価された人はもちろん、中リスクや低リスクの人も対応フローをもとに、生活習慣の改善や予防対策に取り組みましょう。
低リスク群の場合
低リスクと評価された場合は、規則正しい生活習慣を維持することが推奨されています。
ただし、LOX-index検査で低リスクと評価されても、脳梗塞・心筋梗塞に発症する可能性がゼロになるわけではありません。低リスクであっても定期的な検査を受けるとともに、気になる症状がある場合は医師に相談することがおすすめです。
中リスク群の場合
中リスクと評価された場合は、生活習慣の改善に努めるとともに、定期的な検査受診が推奨されています。
人間ドックを同時に受診している場合は、人間ドックの結果も踏まえて医師に相談するとよいでしょう。
中高リスク群の場合
中高リスクと評価された場合は、脂質異常症や高血圧などの基礎疾患・動脈硬化性疾患を発症している可能性が否定できません。
LABやLOX-1のほかに動脈硬化の危険因子がない人は、定期的な検査受診と生活習慣の改善に努めましょう。
ほかにも危険因子があり、動脈硬化の進行が懸念される人は、医師に相談したうえで血管の状態を詳しく調べることがおすすめです。結果報告書のフローチャートでは、機器検査と精密検査の受診が推奨されています。
高リスク群の場合
高リスクと評価された場合は、すでに動脈硬化を発症している可能性も否定できません。将来的に脳梗塞・心筋梗塞を発症するリスクが高いため、医師に相談したうえで、機器検査と精密検査で血管の状態を詳しく調べましょう。
まとめ
LOX-indexは、動脈硬化の進行リスクや、将来の脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを調べられる血液検査です。
多くの場合、人間ドックなどを提供する医療機関で受診することができ、費用相場は13,000~16,000円です。検査結果は基準値をもとにリスク評価がおこなわれ、分かりやすい結果報告書で自分の測定値や改善・予防の方法を理解できます。
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