疲れやすさや肌のコンディションが気になるとき、あるいは将来の健康を見据えて体調管理を見直したいとき、選択肢のひとつとして挙がるのが高濃度ビタミンC点滴です。
美容目的で取り入れられることもありますが、近年では健康維持やコンディション管理の一環として関心を持つ方も増えています。
一方で、その効果や安全性についてはさまざまな情報があり、受けるかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、高濃度ビタミンC点滴に期待できる効果や危険性の有無、点滴を受ける頻度や料金の目安などを分かりやすく解説します。
高濃度ビタミンC点滴とは
高濃度ビタミンC点滴とは、大量のビタミンCを点滴によって体内に行き渡らせる治療法です。
ビタミンC(アスコルビン酸)は水溶性ビタミンの一種で、抗酸化作用・免疫機能強化・コラーゲン生成促進などの作用があります。高濃度ビタミンC点滴は、大量のビタミンCを体内に取り込み血中濃度を高めることで、その作用をより発揮しやすくすると考えられています。
ビタミンCを補充する方法には食べ物や飲み物から摂る経口摂取もあります。しかし、経口摂取では血中濃度を一定以上に高めることが難しいとされています。
一方、高濃度ビタミンC点滴は静脈から直接投与する方法であるため、ビタミンCの血中濃度を高められることが特徴です。経口摂取と比較して、点滴ではビタミンCの血中濃度が20~50倍程度に上昇する場合があるとされています。
高濃度ビタミンC点滴で期待できる効果とは
高濃度ビタミンC点滴では、おもに以下の効果が期待できます。
- 倦怠感や疲労の軽減
- 免疫機能のサポート
- エイジングケア
- 美肌や美白
- 健康維持のサポート
- がん治療中の補助的なケア
それぞれ詳しく説明します。
倦怠感や疲労の軽減
「慢性的なだるさに悩まされている」「眠っても仕事の疲れが抜けない」といった倦怠感や疲労は、高濃度ビタミンC点滴による軽減が期待できます。
倦怠感や疲労は、運動や精神的ストレスなどで過剰に発生した活性酸素が細胞を傷つけるために起こります。強力な抗酸化作用があるビタミンCを体内に取り入れると、活性酸素の働きを防ぎ、倦怠感や疲労に関与すると考えられています」。
また、ストレスから身体を守る働きがある副腎皮質ホルモン「コルチゾール」は、合成に大量のビタミンCが必要です。高濃度ビタミンC点滴で血液中のビタミンC濃度を高めれば、コルチゾールの合成を助ける働きも見込めます。
免疫機能のサポート
ビタミンCには、ウイルス・細菌から身体を守る「白血球」の生成や、ウイルスなどの増殖を抑える「インターフェロン」の分泌を促す働きがあります。高濃度ビタミンC点滴を受けると、ビタミンCの働きにより免疫機能に関与すると考えられています。
風邪やアレルギーのケアとして取り入れる方もおり、健康を維持するための手段としても選ばれています。
エイジングケア
ビタミンCには強力な抗酸化作用があると考えられています。
身体が老化する原因には、細胞の酸化や糖化が挙げられます。
細胞の酸化については活性酸素がかかわっています。ビタミンCは抗酸化作用によって活性酸素の作用を抑制できれば、細胞の酸化をケアできるでしょう。
高濃度ビタミンC点滴では、体内に高濃度のビタミンCを行き渡らせるため、肌や髪だけでなく臓器を含めた全身のエイジングケアとして取り入れる方もいます。
美肌と美白効果
高濃度ビタミンC点滴は健康維持やエイジングケアだけではなく、シワやたるみの予防など美肌・美白を目指して選ばれることがあります。
ビタミンCは、肌にハリ・弾力を生み出すコラーゲンの合成には欠かせない栄養です。
また、ビタミンCにはチロシナーゼという酵素の活性を阻害する働きがあります。チロシナーゼはメラニン色素の生成にかかわる酵素であり、ビタミンCを多く摂取することでメラニン生成に関与する酵素の働きに関与するとされています。
健康維持のサポート
高濃度ビタミンC点滴の抗酸化作用は、過酸化脂質の生成を抑える働きが期待でき、心疾患・脳血管疾患をはじめとした生活習慣病リスクとの関連が示唆されています。
生活習慣病は、食生活・運動などの生活習慣や本人の健康状態が発症・進行にかかわる病気です。特に心筋梗塞や脳卒中の発症には、過酸化脂質が血管を傷つけることで発生する動脈硬化が関係しています。
がんに対する補助的なケア
高濃度ビタミンC点滴は、がん治療中の補助的なケアとして取り入れられることがあります。
その理由の一つとして、ビタミンCが体内で変化する過程が関係していると考えられています。
研究の段階では、高濃度のビタミンCががん細胞に影響を与える可能性が示唆されています。また、免疫の働きとの関わりについても研究が進められています。
ただし、これらはまだ研究が続いている分野であり、標準治療に代わるものではありません。
それでも、治療と並行して体調管理を見直したいと考える方にとって、医師の管理のもとで検討されることのある選択肢の一つです。
高濃度ビタミンC点滴は意味ない・危険って本当?
高濃度ビタミンC点滴に関しては、「受ける意味がない」「危険」という意見も見受けられます。
しかし、高濃度ビタミンC点滴に含まれるビタミンCには強力な抗酸化作用があり、血管を通じて全身に届けられることや、食事やサプリメントでは摂取できない高濃度のビタミンCを取り入れられることから、意味がないと言い切るのは正確性に欠けるでしょう。
ただし、高濃度ビタミンC点滴は特定の病気がある人への使用は禁忌とされており、それを知らずにいると危険がともなう可能性は考えられます。あらかじめ禁忌の対象となる病気を知り、自分に合っているかどうかを調べることが大切です。
以下では、高濃度ビタミンC点滴が禁忌とされている主な病気を解説します。
高濃度ビタミンC点滴が禁忌の病気:G6PD欠損症
G6PD欠損症(グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症)とは、赤血球に含まれるG6PDという酵素が少ない遺伝性の疾患です。G6PD欠損症の人が高濃度ビタミンC点滴を受けると溶血を起こすリスクがあり、使用は禁忌です。
なお、高濃度ビタミンC点滴を受ける際には、G6PD欠損症かどうかを調べるために「G6PD検査」をおこないます。検査によってG6PD欠損症ではないことがわかった場合は高濃度ビタミンC点滴を受けられます。
参考
熊本大学病院 輸血・細胞治療部「グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症」
MSDマニュアル 家庭版「グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠乏症」
高濃度ビタミンC点滴の禁忌:重度の腎不全
重度の腎不全により腎機能が低下している人や、透析療法を受けている人は、高濃度ビタミンC点滴が禁忌とされています。高濃度のビタミンCを投与すると尿酸やシュウ酸の生成が促され、腎機能の低下がさらに進行する可能性があるためです。
「腎不全の懸念がある」「医師に透析の必要性を指摘されている」という人は、かならず事前に申告したうで、医師の指示に従いましょう。
高濃度ビタミンC点滴の禁忌:心機能の低下(心不全など)
高濃度のビタミンCは心臓に負担をかけるおそれがあり、高血圧症・心筋梗塞・狭心症・不整脈・弁膜症・心筋症・先天性心疾患など心機能が低下している人は使用禁忌とされています。
高濃度ビタミンC点滴の禁忌:胸水や腹水
心不全・腎不全・肝硬変・がんなどの病気によって胸水や腹水が大量にある人も、高濃度ビタミンC点滴の使用は禁忌です。
高濃度ビタミンC点滴は高濃度のビタミンCのほかに、水分も投与する治療法です。そのため、水分負荷によって胸水や腹水の量がさらに増加し、病状を悪化させるおそれがあります。
高濃度ビタミンC点滴を受ける適切な頻度
高濃度ビタミンC点滴の頻度は、体調や目的、体質などによって異なります。
一律に決まった回数があるわけではありませんが、一般的な目安としては、数週間に1回程度の間隔で取り入れる方が多い傾向にあります。
初めて受ける場合や、体調の変化を確認したい場合には、医師の判断のもとで一定期間はやや短い間隔で実施することもあります。
その後は体調やライフスタイルに合わせて、無理のないペースへ調整していきます。
いずれの場合も、自己判断で頻度を決めるのではなく、医療機関でのカウンセリングを通じて適切な間隔を相談することが大切です。
高濃度ビタミンC点滴の料金目安
高濃度ビタミンC点滴の料金は受診する施設ごとに異なるほか、「点滴を何g投与するか」「高品質のビタミンC点滴を使用しているか」によっても変動します。
一般的な投与量は12.5g・25g・50gの三種類で、それぞれの料金目安は以下のとおりです。
| 投与量 | 料金目安(1回あたり) |
|---|
| 12.5g | 6,250~13,000円 |
| 25g | 10,000~19,000円 |
| 50g | 17,000~33,000円 |
料金は1回ごとにかかるため、高濃度ビタミンC点滴を全体で何回受けるかを考えたうえで総額費用を計算するとよいでしょう。なお、高濃度ビタミンC点滴は保険適用外の治療であり、料金は全額自己負担となります。
また、初回治療時はG6PD検査も含んだ診察料として7,500~11,000円程度の料金が別途かかります。受診する施設によっては二回目以降に再診料がかかるケースもあるため、利用前に高濃度ビタミンC点滴の料金システムを確認しておくと安心です。
まとめ
高濃度ビタミンC点滴は、倦怠感や疲労の軽減・免疫機能のサポート・エイジングケア・美肌や美白・健康維持のサポート・がん治療中の補助的なケアを目的として選択されることのある自由診療のひとつです。
利用にあたってはG6PD欠損症などの使用禁忌に注意が必要です。禁忌となる疾患がある方やその可能性がある方は、かならず事前に申告をして医師の指示に従いましょう。
意味がないという意見も見受けられますが、食事やサプリメントでは摂取できない高濃度のビタミンCを取り入れられるのは点滴ならではの特徴のひとつです。
自分の体調や目的に合っているかどうかを見極め、医療機関と相談しながら検討することが大切です。
セントラルクリニック世田谷では、自由診療プログラムとして高濃度ビタミンC点滴をご用意しております。
安全性の高い製品として多くのクリニックで使用されている、マイラン社の高濃度ビタミンC点滴を採用し、投与量を25gと50gの2種類から選択可能です。
外来受診はもちろんのこと、人間ドックのオプションとしてご選択いただけますので、東京で高濃度ビタミンC点滴を検討されている方はお気軽にご相談ください。
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