近年、子宮体がんは多くの女性にとって身近な病気となっています。
しかし、いざ検査をしようと決心しても、受けるタイミングや痛みの有無、費用など、気になることはたくさんあるものです。検査前に正しい知識を持つことが、自分の体と向き合う第一歩になるでしょう。
本記事では、検査を前向きに考えるためのポイントをわかりやすく解説します。
子宮体がんとは?検査を受ける前に知っておきたい基礎知識
子宮体がんは、女性特有のがんの中でも近年患者数が増え続けている病気です。検査や受診を考える前に、まず病気の基本的な特徴や体にあらわれる症状、ほかの子宮のがんとの違いを把握しておきましょう。
発症しやすい年齢と増加している背景
子宮体がんがもっとも多く見つかるのは50代から60代で、閉経前後の女性に多いとされています。最近では30代での発症もみられ、45歳頃から増加する傾向にあります。患者数はこの20年で3倍以上に増えており、婦人科の中ではとても身近な病気です。
増加の背景には、食生活の欧米化や妊娠・出産の減少、肥満や糖尿病といった生活習慣病がかかわっています。ホルモンバランスの変化も影響するため、年齢を問わず自分の体調の変化に早く気づくことが健やかな毎日を守る大切なポイントです。
見逃してはいけない子宮体がんの前兆・症状
子宮体がんのサインでもっとも多いのは、月経以外のときにみられる不正出血です。閉経後の出血や茶色っぽいおりものが続く場合には、体からのサインとして受け止めましょう。また、おりものに血が混ざるとピンク色に見える場合もありますので注意してください。
子宮体がんが進行すると、下腹部の痛みや腰の重さ、足のむくみといった症状があらわれることもあります。気になる症状があれば、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
子宮体がんと子宮頸がんの違い
子宮がんは発生する場所によって、子宮の奥にできる「子宮体がん」と入り口にできる「子宮頸がん」の2種類に分けられます。子宮頸がんの多くはウイルス(HPV=ヒトパピローマウイルス)の感染が原因ですが、子宮体がんの場合は、おもに女性ホルモンの働きが関係していることが特徴です。
子宮頸がんは20代や30代でも発症している一方で、子宮体がんは更年期以降に多くみられるという違いがあります。また、自治体や職場でおこなわれる集団検診は、おもに子宮頸がんを対象としていますが、子宮体がんの検査は、気になる症状がある際にオプションの検査として検討されることが一般的です。
子宮体がん検査は何歳から受けるべき?受診タイミングと対象者
子宮体がん検査は、年齢や体の状態によって受けるタイミングが異なります。
ここからは、検査を受け始めるのに適切な時期や、どのような方が受診を検討するべきかについて詳しく紹介していきます。
検査を受けるべき年齢の目安
子宮体がんの患者数は40代から増え始め、50代から60代でもっとも多くなる傾向があります。特に、閉経を迎える50歳前後は女性ホルモンのバランスが変化しやすく、がん発生のリスクが高くなる時期です。加えて、最近では生活習慣の変化などにより、若い年代での発症もみられるようになっています。
40代に入ったら、自分の体の変化に目を向け始めるとよいでしょう。また、特定の遺伝リスクがある場合には、30代からの定期的な検査が推奨されることもあります。一般的に子宮体がん検査の受診は40代以降が目安となりますが、自身の身体のコンディションやライフステージに合わせて検討することが大切です。
年齢以外で検査を検討すべきケース
年齢にかかわらず、不正出血はもっとも注意が必要なサインです。特に、月経以外の時期や閉経後に出血がある場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。
また、肥満・糖尿病・高血圧などの持病がある場合や、出産経験がない場合は子宮体がんの発症リスクが高まるとされているため、定期的に専門家へ相談することをおすすめします。月経不順が長く続く場合や、乳がんの治療薬のタモキシフェンを服用中の方も注意が必要です。
さらに、家族に大腸がんや子宮体がんの患者が多い場合は、遺伝的なリスクが考えられるため早めのタイミングで検査を検討しましょう。
子宮体がん検診の受診頻度
子宮体がんは、国が定める定期的な集団検診がないため、不正出血などの症状が出たタイミングで早めに受診することが基本です。超音波検査で子宮内膜が厚いと指摘された経験がある場合は、異常がなくても医師に相談しながら継続的に検査を受けるとよいでしょう。
また、リンチ症候群などの遺伝的なリスクがある場合は、医師の指導のもと1年〜2年おきの検査が推奨されています。健康状態やリスクに合わせて、自分に合ったペースで受診を続けることが大切です。
子宮体がん検査の種類と流れをわかりやすく解説
子宮体がんの検査は、健診施設でのスクリーニングと、専門医療機関での精密検査の2段階で進むのが一般的です。それぞれの役割を知っておくことで、自分がどの段階の検査を受けるべきかが明確になります。
ここでは、どのような流れで子宮体がんの検査がおこなわれていくのか、ひとつずつみていきましょう。
健診施設でのスクリーニング検査:経膣超音波検査(エコー検査)
経膣超音波検査とは、腟の中に専用の器具を入れ、超音波を使って子宮の内部を画像として映し出す検査です。お腹の上から機器をあてる検査よりも子宮に近い位置で観察でき、内膜の状態をより鮮明に確認できます。子宮体がんになると子宮内膜が厚くなる傾向があるため、この検査で内膜の厚さを確認することが異常の有無を判断するポイントのひとつになります。
体への負担が少なく、短時間でスムーズにおこなえる検査です。自覚症状がない場合でも、検診などで経膣超音波検査により偶然がんが発見され、早期発見につながることもあります。
婦人科専門医療機関での精密検査
経膣超音波検査で子宮内膜が厚くなるなど異常が疑われた場合には、婦人科専門医療機関での精密検査が必要です。精密検査では以下のような検査がおこなわれます。
子宮内膜細胞診
子宮内膜細胞診とは、子宮の内部に細いブラシやチューブを入れ、内膜を軽くこすって細胞を採取する検査です。採取した細胞は顕微鏡で詳しく調べ、がんの疑いがある異常な細胞がないかを確認します。
外来で手軽に受けられる一方で、実際にがんがあっても異常なしと判定される「偽陰性」が起こる場合がある点もあらかじめ把握しておきましょう。個人差はありますが、細胞を採る際にチクッとした痛みを感じる場合があります。検査後数日間は、おりものが茶色っぽくなったり少量の出血が見られたりすることもあります。
組織診
組織診は、がんであるかどうかを確定させるためにおこなわれる非常に重要な検査です。細いスプーンやチューブのような専用の器具を使い、子宮内膜の組織を直接採取して顕微鏡で調べます。細胞診よりもより詳しい診断が可能で、がんの種類や悪性度まで正確に診断することが可能です。
検査時に軽い痛みや違和感をともなうことがありますが、最近では非常に細い器具で組織を吸い取る、痛みの少ない方法も普及しています。広範囲にわたって組織を採取して検査する場合には、麻酔をかけておこなうこともあります。
子宮鏡検査
子宮鏡検査は、直径3mm程度の極細のカメラを膣から挿入し、子宮の内部をモニターで直接観察する検査です。がんがどの場所にあり、どのような形をしているのかを肉眼で詳しく確認できます。子宮内でのがんの広がりも観察できるため、より正確な状態の把握につながります。外来で受けることができ、検査時間は5分~10分程度と短時間で終わるのも特徴です。
MRI検査・CT検査
がんと診断された後、病変の広がりやほかの臓器への転移がないかを調べる画像検査です。MRI検査では磁気の力を使って体内を画像化するため、がんが子宮の筋肉にどの程度深く入り込んでいるかを判断するのに適しています。一方、CT検査はX線を使い、リンパ節や肺・肝臓といった離れた部位への転移がないかを広範囲に確認することが可能です。
これらの画像検査の結果をもとにステージを判断し、治療方針を決定します。
スクリーニングから確定診断までのステップ
まずは不正出血などの症状を確認し、経膣超音波検査で子宮内膜の状態を調べます。異常が疑われる場合は婦人科専門医療機関での精密検査(子宮内膜細胞診・組織診)へ進み、がんであるかどうかを診断します。
子宮体がんであると確定したら、MRIやCTなどの画像検査でがんの進行具合や広がりを詳しく調べるのが次のステップです。最後に、検査結果をもとにがんのステージが判断され、一人ひとりの病状に合わせた治療法を選択します。
子宮体がん検査の痛みはどのくらい?痛すぎると言われる理由と対処法
子宮体がんの検査は「痛すぎる」という声を聞いて、検査を受けることを躊躇してしまう方も多くいらっしゃいます。そのような場合は、検査で痛みが生じる仕組みや感じやすい人の特徴を知ることで、心の準備がしやすくなるでしょう。
ここでは、痛みを軽くする方法や痛みが少ない検査の選び方についても解説していきますので、自分に合った方法をみつける参考にしてください。
細胞診や組織診が痛いと感じる理由
子宮体がん検査では、子宮の奥にある内膜を調べるため、細い器具を子宮の入り口(子宮口)から奥へと挿入します。子宮口は普段閉じており、狭い通路を通ると刺激を感じやすい構造になっています。細胞診では内膜を軽くこすり、組織診では器具で組織の一部をかき出して採取します。
このとき、チクッとした鋭い痛みや生理痛のような重苦しい痛みを感じることがあります。子宮口の狭さと子宮内膜への直接的な刺激が、検査時の痛みのおもな原因です。
痛みを感じやすい人の特徴
痛みの感じ方には個人差がありますが、子宮の入り口が狭い場合は痛みを感じやすい傾向があります。出産を経験したことがない人は、子宮の入り口が一度も開いたことがないため、器具を通す際に抵抗を感じるかもしれません。
また、閉経後の人は子宮の入り口が硬く閉じていることがあり、器具を挿入する際に強い抵抗が生じやすい状態になっています。さらに、検査への強い不安や緊張があると無意識のうちに体に力が入り、より痛みを感じやすくなります。
痛みを軽減するための対処法
検査中の痛みを和らげるには、リラックスして受けることが大切です。ゆっくりと深呼吸を繰り返しながら、特にお腹や足の力を抜くよう意識すると器具の挿入がスムーズになります。
また、検査前に「痛みが不安」と医師や看護師へ伝えておくと、声掛けなどのサポートを受けながら落ち着いて検査に臨めるでしょう。痛みにとても敏感、あるいは不安が大きい場合は、局所麻酔や静脈麻酔の使用や子宮口を広げる処置の検討もできるため、事前に医師や看護師に相談することをおすすめします。
痛みが少ない検査の選び方
子宮体がん検査の選び方は、異常の有無を確認したいのか、確定診断をしたいのかによって異なります。ブラシで細胞を軽くなでる「細胞診」は、組織を採取する「組織診」より痛みが少ない方法です。
ただし、がんかどうかをはっきりさせるためには、最終的に組織診が必要となります。組織診を受ける場合は、吸引して採取する「吸引組織診」を採用している病院を選ぶと、体への刺激も比較的少なくなるでしょう。器具の挿入が難しいときは、超音波検査で子宮内膜の厚さや異常を先に確認する方法も有効です。
子宮体がん検査にかかる費用の目安
子宮体がん検査の費用は、検査の種類や受け方によってさまざまです。どのくらいかかるのか事前に知っておくと、受診の計画が立てやすくなるでしょう。
ここでは、子宮体がん検査の費用の目安と保険が使えるケースについて解説していきます。
検査の種類別:費用の目安一覧
子宮体がん検査の費用は、検査方法によって異なります。
主要な検査の費用相場は以下のとおりです。
| 検査の種類 | 費用相場 |
|---|
| 経膣超音波検査 | 2,500円 ~ 6,000円 |
| 子宮内膜細胞診 | 5,500円 ~ 12,000円 |
| 組織診 | 4,500円 ~ 22,000円 |
人間ドックなどのオプションとして受ける場合、経膣超音波検査と子宮内膜細胞診がセットで提供されているケースも多くあります。また、診察や子宮頸がん検査を含む婦人科検診のパッケージとして設定されていることもあります。医療機関によって価格設定が異なるため、受診前に各クリニックのホームページ等で確認しておくと安心です。
保険適用になるケースとならないケース
子宮体がん検査は、受ける目的によって費用が変わります。保険が適用されるのは、不正出血などの気になる症状がある場合や、医師が検査を必要と判断したときです。この場合、費用の自己負担は1割〜3割になります。
一方で、症状はないけれど定期的にチェックしたいという場合の検診や人間ドックなどでは、保険適用外となり費用は全額自己負担です。加入している健康保険組合によっては自費検診の費用を補助している場合もあるため、事前に組合の制度を確認してみましょう。
子宮体がん検査を受けるクリニックの選び方
子宮体がん検査を前向きな気持ちで受けるためには、自分に合ったクリニック選びが大切です。ここではクリニック選びのポイントを紹介していきますので、検査を受ける際の参考にしてください。
女性医師・女性スタッフが対応しているか
子宮体がん検査ではデリケートな部位を扱うため、同性のスタッフの対応が可能かどうかは大切なポイントです。医師や看護師が女性であれば、安心して検査を受けられるという方も多いでしょう。また、同じ女性として体の悩みや不安を相談しやすいのも魅力です。心理的に落ち着いた状態で受診できると、体への余分な力が抜けて検査時の痛みを和らげる効果も期待できます。最近では、医師だけでなく受付から技師まで全員が女性という施設も増えているため、よりリラックスして受診したい場合はそのようなクリニックを選ぶのがおすすめです。
婦人科腫瘍専門医が在籍しているか
より精度の高い診断を希望するのであれば、婦人科腫瘍専門医がいるクリニックを選ぶとよいでしょう。婦人科腫瘍専門医は、女性特有のがんの診断や治療において豊富な経験と知識を持つスペシャリストです。子宮や卵巣の病気に詳しく、精密な検査による早期発見が期待できます。
検査で気になる点が見つかった場合も、専門的な知識に基づいた治療に関するアドバイスを直接もらえるため、心強い存在でもあります。また、がんだけではなく、子宮筋腫など女性特有の病気全般にも精通しているため、子宮体がん以外の婦人科の病気についても相談することができます。
プライバシーへの配慮がされているか
プライバシーに十分な配慮がされているかどうかも確認しましょう。内診の際にカーテンで仕切ったり、下腹部をタオルで覆ったりといった細やかな配慮がある医療機関は数多くあります。また、検査着姿でも男性の目を気にせず過ごせるよう、女性専用の待合室や検査フロアを設けている場合もあります。
なかには、着替えのための個室やメイクを直せるパウダールームを完備している施設もあり、検査前後の身支度も他者の目を気にすることなくおこなえます。こうしたプライバシーへの配慮は、落ち着いた気持ちで検査に臨むことにつながるでしょう。
まとめ
子宮体がんは40代以降に増え始め、特に閉経前後の女性に多くみられます。不正出血などの気になる症状があるときはもちろん、症状がない段階から定期的な経膣超音波検査を受けることが、早期発見への大切な一歩です。
精密検査には子宮内膜細胞診や組織診など複数の種類がありますが、子宮体がんを疑われる症状がある場合には保険が適用されます。また、検査時の痛みには個人差がありますが、場合によっては麻酔を使うことも可能なため、痛みに対する不安が大きい方は事前に受診する医療機関へ相談しておくことをおすすめします。女性スタッフも在籍していてプライバシーへの配慮もされているクリニックであれば、より落ち着いて受診することができるでしょう。
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子宮体がんのスクリーニングに有効な経膣超音波検査、そのほかにも婦人科系検査として子宮頸部細胞診検査・HPV検査をおこなっておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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