人間ドックで腫瘍マーカー検査は必要?意味ないって本当?

人間ドックで腫瘍マーカー検査は必要?意味ないって本当?

人間ドックを受ける際に「腫瘍マーカー検査を追加しますか?」と聞かれて、本当に必要なのか迷った経験はありませんか。

調べてみると「意味がない」「あまり役に立たない」といった意見もあり、不安に感じる方もいるでしょう。

一方で、腫瘍マーカー検査は、使い方や位置づけを正しく理解することで、がんリスクの把握や経過観察に役立つ場合もあります。

この記事では、人間ドックにおける腫瘍マーカー検査の仕組みや「意味がない」といわれる理由、実際にどのような人に向いている検査なのかをわかりやすく解説します。

人間ドックの腫瘍マーカー検査とは?基本を解説

人間ドックの腫瘍マーカー検査とは?基本を解説

腫瘍マーカー検査とはどのような検査か、人間ドックでおこなわれる目的について解説します。

腫瘍マーカーの定義と仕組み

腫瘍マーカーとは、がん細胞やその周りの細胞がつくり出す「目印となる物質」のことで、血液や体液、排泄物の中に現れます。

腫瘍マーカー検査では、血液や尿を採取して、そのなかに含まれる特定の物質の量を測ることで、体内のがんの状態を推定するのです。一般的に、がん細胞が増殖すると、血液や尿中のマーカー値も上昇する傾向があります。

腫瘍マーカーは、がんの種類や臓器ごとに特徴のある物質があり、現在では数十種類が知られています。

人間ドックでおこなう腫瘍マーカー検査の目的

人間ドックで腫瘍マーカー検査をおこなう一番の目的は、体内にがんの疑いがないかを調べるための参考情報を得ることです。数値が基準値を超えていた場合、精密検査を受けるべきかどうかを評価するきっかけとなります。

特に、喫煙習慣のある人や高齢者などがんのリスクが高い人にとって、定期的にがんの可能性を確認する上で重要な役割を果たします。腫瘍マーカーは、CTやMRIなどほかの検査結果と組み合わせて、がんの可能性を総合的に評価するための参考として活用できるのです。

腫瘍マーカー検査は「意味ない」といわれる3つの理由

腫瘍マーカー検査は「意味ない」といわれる3つの理由

人間ドックでおこなわれる腫瘍マーカー検査は意味がないといわれるのには、検査の特性が関係しています。以下より、腫瘍マーカー検査の注意すべき3つの理由を解説しましょう。

検査精度に限界がある

腫瘍マーカー検査があまり役に立たないといわれる理由の1つは、検査の正確さに限界があるためです。医学的には「感度が低い」「特異度が低い」と表現されます。

感度が低いとは、実際にがんがあっても見逃してしまうことです。一方、特異度が低いとは、がんではないのに「異常あり」と判定されてしまうことです。

このような特徴があるため、腫瘍マーカー検査だけで、がんの有無を確定することはできません。また、値は検査のタイミングによって変わることが多く、結果にばらつきが出ることがあります。

がん以外の理由でも高値を示す

腫瘍マーカーの数値は、がん以外の理由でも増減することがあります。腫瘍マーカーはがん細胞によってつくられる物質ですが、良性の病気や体の変化によってもつくられ、正常値から外れる場合があります。

例えば、前立腺がんの腫瘍マーカーは、前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇します。消化器系のがんで使われる腫瘍マーカーも、胃潰瘍・肝炎・膵炎といった病気で左右されることがあるのです。

また、加齢・飲酒・喫煙・妊娠・月経なども、がんとは関係なく腫瘍マーカーの数値に影響を与えることがあります。

早期がんの発見には不向きな場合が多い

腫瘍マーカーは、がん細胞がつくり出す物質の量を調べることで、体内のがんの量を推定する評価基準として使われます。しかし、がんがごく初期の段階にある場合、血液や尿中に出てくるマーカーの量が非常に少ないため、検査で見つけることが難しい場合が多いです。

がんがかなり進行するまで数値が正常範囲内に留まる場合があり、早期発見には適さないことがあります。また、がんがあってもマーカー値が正常のままということもあり、病状が進んでも基準値内に留まる場合もあるのです。

このような特徴があるため、腫瘍マーカー検査は個人の希望により実施されることはありますが、早期発見を目的とした国のがん検診には含まれていません。

人間ドックにおける腫瘍マーカー検査をおこなうメリット

人間ドックにおける腫瘍マーカー検査をおこなうメリット

腫瘍マーカー検査には課題もありますが、人間ドックで追加しておこなうべきメリットもあります。4つのポイントに分けて解説しましょう。

ほかの検査と組み合わせることで精度が向上する

腫瘍マーカー検査は、CTやMRIなどの画像による検査結果と組み合わせることで、がんの診断がより正確になります。採血または採尿で実施できるため、身体的負担が少なく、ほかの検査と効率的に併用できるメリットがあります。

ほかの検査で変化が見られなくても、腫瘍マーカーの数値に変動があれば、がんを含むさまざまな病気を発見する重要な手がかりになります。腫瘍マーカーの検査結果が医師の評価材料の1つとなることで、より精度の高い診断につながるのです。

特定のがんでは有用性が高い

腫瘍マーカーは、がんの種類や臓器と関連している特徴があります。なかには特定の臓器を調べるのに適していて、ほかの検査よりも役立つマーカーもあるのです。

例えば、男性の前立腺がんの検査では、PSAという腫瘍マーカーが診断の参考として広く活用されています。また、肺がんの1種である扁平上皮がんなどではCYFRAが高くなることが分かっています。

がんの種類によっては、複数の腫瘍マーカーを組み合わせて検査することで、特定の臓器のがんを見つける手がかりになります。

治療効果の判定や再発の発見に役立つ

腫瘍マーカー検査は、がんの有無を調べるときだけでなく、治療がうまくいっているか確認したり、治療後に再発していないか調べたりするためにも使われています。

腫瘍マーカー値を定期的に調べることで、薬の効果があるかどうかを数字で確かめることができます。さらに、手術や放射線治療でがんを取り除いた後も、腫瘍マーカー検査を続けることで、がんの再発を早期に見つけることに役立つのです。

定期的な観察で異常の早期発見につながる

定期的に人間ドックや健診で腫瘍マーカーを測定し続けることで、過去の数値と比較して、どのように変化しているかを確認できます。数値が徐々に上がっているなど、いつもと違う変化を早めに見つけられる場合もあるでしょう。

体内でがんが大きくなると、腫瘍マーカーの値も上がる傾向にあるため、変化を早めに捉えることが詳しい検査を受けるきっかけとなるのです。

人間ドックで受けられる腫瘍マーカーの種類と選び方

人間ドックで受けられる腫瘍マーカーの種類と選び方

人間ドックで選べる腫瘍マーカーにはどのような種類があるのか確認しましょう。また、性別や家族歴などによって、選ぶと良い腫瘍マーカーについても解説します。

主な腫瘍マーカーの種類と特徴

特に人間ドックで広く使われる代表的な腫瘍マーカーを5つご紹介します。

種類特徴
CEA胃がん、大腸がん、肺がんなど、幅広い消化器系のがんで上昇する可能性があります。大量喫煙者でも基準値を超えることがあります。
AFP肝臓がんの代表的なマーカーです。肝炎や肝硬変、妊娠後期においても値が上がることがあります。
CA19-9消化器のがんとの関連が強いマーカーですが、特に膵臓がんや胆道がんに対する判定に用いられています。
PSA前立腺がんに特異性の高いマーカーです。前立腺肥大症や前立腺炎でも高値を示すことがあります。
CA125 卵巣がんのマーカーとして知られています。子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患でも上昇することがあります。

性別によって選ぶべき腫瘍マーカー

腫瘍マーカーを選ぶ際には、性別ごとに注意したい臓器のがんに対応するマーカーを追加で調べることをおすすめします。

男性では、前立腺がんの目安となるPSA検査を検討してみましょう。PSAは前立腺から分泌されるタンパク質で、前立腺がんがあると高い値を示します。ただし、前立腺肥大や前立腺炎でも正常値を超えることがあるため、異常がみられた場合は専門医の診察を受けることが大切です。

一方、女性の場合は、卵巣がんの目安として知られるCA125やCA54/61を調べることをおすすめします。これらのマーカーは卵巣がんで高い陽性率を示しますが、子宮内膜症や子宮筋腫、妊娠などでも数値が上がることがあります。高値になった場合は追加検査を受けて、詳しく調べてもらいましょう。

家族歴やリスクに応じて選ぶ腫瘍マーカー

過去にかかった病気や家族の病歴など、個人のリスク要因に合わせて検査項目を選ぶことが大切です。

例えば、家族が膵臓がんや胆道がんになったことがある人では、CA19-9などの関連するマーカーを追加で調べることで、早期発見につながりやすくなります。B型・C型肝炎や肝硬変の病歴がある人は、肝臓がんに特有のマーカーであるAFPやPIVKA-Ⅱなどを加えることで、より詳しい健康チェックが可能です。喫煙習慣がある人は肺がんに注意が必要なため、NSEやCYFRAなどの検査を定期的に活用すると良いでしょう。

自身の状況に応じて、画像検査と組み合わせることで、検査の精度も高まります。

人間ドックで腫瘍マーカー検査を受けるべき人の特徴

人間ドックで腫瘍マーカー検査を受けるべき人の特徴

自身の健康状態や家族の病歴などによって、腫瘍マーカー検査を受けることで安心につながったり、早期発見に役立ったりするケースがあります。どのような人に向いているのか、具体的なケースを見ていきましょう。

がんの家族歴がある人

家族や親族にがんを発症した人がいる場合、特定のがんを発症しやすい体質を受け継いでいる可能性があります。そのため、人間ドックの際に、がんのリスクを詳しく調べることが大切です。家族がかかったがんに対応する検査項目をオプションで追加することで、早期発見の手がかりが増えることにつながります。

ただし、検査の数値はあくまで補助的な情報であり、数値が高くても必ずしもがんとは限りません。結果については、CTやMRIなどの検査と合わせて、総合的に医師に評価してもらいましょう。

特定の疾患リスクが高い人

腫瘍マーカーの値は、がん細胞の量が増えるほど上昇しやすくなりますが、がん以外の良性の病気や炎症などでも正常値を超えることがあります。この特性を活用して、特定の病気を持つ人の体調変化を継続的に観察するツールとして、腫瘍マーカーは有用です。

たとえば、B型やC型肝炎ウイルスに感染している人は、将来的に肝細胞がんを発症するリスクが高いため、AFPやPIVKA-Ⅱといった検査項目を定期的に測定し、肝臓の状態を経過観察することが大切です。また、男性の場合、前立腺肥大症や前立腺炎といった病気でも、前立腺がんの検査項目であるPSAが上昇するケースがあります。

腫瘍マーカーの数値を継続的に確認することで、体の変化にいち早く気づけるでしょう。

がん治療後の経過観察が必要な人

腫瘍マーカー検査は、がんと診断された後の治療効果の確認や、再発・転移の経過観察においても役立つ検査です。

がん治療を受けられた人は、その後の経過を見守るために腫瘍マーカーを定期的にチェックしましょう。一度正常に戻った数値が再び上昇し始めた場合、再発や転移の早期発見につながる手がかりになります。

経過を見守る中で、腫瘍マーカー値の動きを確認しながら、CTやMRIなどの検査と組み合わせて、体の状態を総合的に確認することが大切です。

40代以上で定期的ながん検診を希望する人

がんの発症リスクが高まる40代以降の方で、通常のがん検診に加えて、より幅広くがんのリスクを調べたい場合にも、腫瘍マーカー検査は有用です。

腫瘍マーカー検査は採血や採尿で手軽に測定でき、体への負担が少ないことが大きなメリットです。腫瘍マーカー検査単独ではがんの有無を特定できませんが、ほかの検査と組み合わせることで、がん診断の手がかりとして活用できます。

また、腫瘍マーカーは体の変化を見る検査のため、定期的に調べて数値の変化を見ていくことで、健康状態の確認に役立つでしょう。

人間ドックにおける腫瘍マーカー検査の費用

人間ドックにおける腫瘍マーカー検査の費用

腫瘍マーカー検査の費用は医療機関や検査項目によって異なりますが、主に項目別とセット検査の2つの料金体系があります。

項目ごとの検査費用の目安

腫瘍マーカーの項目ごとの検査費用は、対象となるマーカーや医療機関によって異なりますが、2,000円〜3,000円程度で受けられます。項目ごとの検査は、特定の臓器に対するリスクや既往歴に応じて、必要なマーカーを選んで追加する場合に適しています。

検査項目対象となる主ながん検査料金の相場
PSA前立腺がん2,200円~3,300円
CA125卵巣がん2,200円~3,100円
CEA 胃がん、大腸がん、肺がんなど1,900円~2,800円
CA19-9膵臓がん、胆道がん2,100円~2,800円
AFP 肝臓がん1,900円~2,800円
CYFRA肺がん2,400円~3,300円

腫瘍マーカーセットの検査費用の目安

腫瘍マーカーセットの検査費用は、セットに含まれるマーカーの種類や医療機関によって異なりますが、5,500円〜11,000円程度で受けられます。セット検査は、複数の項目をまとめて調べることで、効率よくリスクを評価できる点が特徴です。

がんの代表的なマーカーのセット(3種類程度)5,500円~6,600円
性別特有のがんリスクを考慮したセット(3種類~4種類)5,500円~8,800円
広範囲のがんリスクをチェックするセット(5種類~6種類)9,000円~11,000円

人間ドックの腫瘍マーカー検査に関するよくある質問

人間ドックの腫瘍マーカー検査に関するよくある質問

最後に、人間ドックでの腫瘍マーカー検査について、よくある質問に回答します。

腫瘍マーカー検査はがんの早期発見に有効ですか?

現時点では、腫瘍マーカー検査だけでがんを早期に見つけることには限界があります。多くの腫瘍マーカーは、がんがある程度進行してから血液中に現れるため、初期の段階では数値の変化として捉えにくい特徴があるのです。また、喫煙や妊娠、年齢など、日常的な要因でも数値が変わることがあります。

そのため、腫瘍マーカーの結果は、ほかの検査と組み合わせて総合的に評価することが大切です。

腫瘍マーカー検査はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

人間ドックなど健康状態の確認を目的とする場合は、年1回または2年に1回の受診が推奨されます。がん治療の効果を確認したり再発を調べたりする目的では、2ヶ月~3ヶ月に1回おこなうと良いでしょう。

定期的に測定すると、過去の数値と比較できるため、体調変化に早めに気づくことができます。

腫瘍マーカーが高いと必ずがんがありますか?

腫瘍マーカーの数値が正常範囲を上回っていても、それだけではがんがあると断定できません。

腫瘍マーカーの値は、がん以外のさまざまな病気でも正常値を超えることがあります。また、年齢、喫煙、月経、妊娠といった日常的な要因でも影響を受けます。

腫瘍マーカー検査で高い数値が出た場合は、詳しい検査を受けることが大切です。

まとめ

人間ドックの腫瘍マーカー検査は、他の検査などと組み合わせることで、がんリスクの確認に有効な検査です。

人間ドックの腫瘍マーカー検査は、画像検査などと組み合わせることで、がんリスクの確認や経過観察に大きく役立つ有効な検査です。

家族歴のある人や特定の疾患リスクが高い人、40代以上で定期的な健康管理を希望される人におすすめできます。自身のリスクや状況に応じて適切な項目を選び、ほかの検査と併用することが大切です。定期的に調べて数値の変化を把握することで、より安心した健康管理につながるでしょう。

セントラルクリニック世田谷では、人間ドックのオプション項目として腫瘍マーカー検査をお選びいただけます。

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