会員制メディカルクラブとは?特徴やメリットなど徹底解説
健康を意識する多くの人に選ばれている会員制メディカルクラブ。どんな特徴やメリットがあるのか気になっている方もいらっしゃることでしょう。
そこでこの記事では、会員制メディカルクラブの特徴やメリットを詳しく解説します。会員制メディカルクラブでは何ができるのか、一般的な病院と何が違うのかなどを知りたいという場合にも、是非参考にしてください。
会員制メディカルクラブとは
会員制メディカルクラブとは、質の高い人間ドックなどが受けられる会員制の病院です。一般的な医療機関と異なり、病気の早期発見と予防に重点が置かれていいます。
また、高精度の検査機器を用いて検査をおこなうほか、ラグジュアリーな空間でリラックスして過ごせるよう配慮されています。会員制メディカルクラブは、病院や診療所に苦手意識があるという方や、病気の早期発見と予防に努めたい方、リラックスして質の高い人間ドックが受けたいという多くの方に選ばれています。
会員制メディカルクラブの特徴
会員制メディカルクラブの特徴には、以下の5つが挙げられます。ここでは、会員制メディカルクラブの特徴について詳しく解説します。
個人情報が厳重に守られる
会員制メディカルクラブの特徴の一つは、個人情報が厳重に守られていることです。人間ドックを受ける方個人の健康状態や治療内容などの情報は、些細なことであっても外部に漏出させてはなりません。一般的な医療機関でも個人情報の取り扱いには配慮されていますが、会員制メディカルクラブでは、特にプライバシーを厳重に守るよう努めています。
待合室は個室で、移動する際もスタッフが誘導し、利用する方同士が顔を合わせることがないよう配慮しています。さらに、関係者以外が院内へ立ち入らないよう、顔認証やID入力を採用している専用ゲートを設けているところもあります。
病院と比較して丁寧な対応が受けられる
会員制メディカルクラブの特徴には、一般的な病院と比較して丁寧な対応が受けられることも挙げられます。一般的な病院では多くの患者さんを診察するため、医師が一人ひとりにかけられる時間が限られています。不安があってもゆっくりと相談することができないといったケースもあるでしょう。
しかし、会員制メディカルクラブでは、医師が担当する会員の人数が限られています。そのため、会員一人ひとりにゆっくりと時間をかけて対応することができるのです。
コンシェルジュサービスが受けられる
会員制メディカルクラブでは、コンシェルジュサービスが受けられることも特徴の一つです。コンシェルジュが検査室への移動をアテンドすることはもちろん、看護師などの医療資格を持った「医療コンシェルジュ」が、栄養相談や運動指導などについて検診後も定期的にフォローします。さらに、担当医師への健康相談の予約や、より専門的な検査・治療が必要な場合には紹介先への予約代行などもおこないます。
精度の高い検査が受けられる
会員制メディカルクラブでは、精度の高い検査が受けられることも特徴です。一般的な病院で用いられる検査機器では見つけ出すことが困難な小さな病変を早期に発見できるケースもあります。
導入している検査機器はそれぞれ異なるものの、どこの会員制メディカルクラブでも最新の検査機器を導入している傾向にあります。例として、当院(セントラルクリニック世田谷)では、会員制メディカルクラブである「セントラルメディカルクラブ世田谷」の会員向け人間ドックでは、以下のような検査機器を導入しています。
- ABUS(エイバス)
2014年9月に初表された、乳房用の超音波画像検査装置です。従来の装置と異なり、装置に胸を押し当てるだけで乳房内を自動スキャンすることができます。 - デジタルPET-CT
PET検査とCT検査を組み合わせて、従来の装置より低被ばく・高画質を実現した検査機器です。 - Ingenia Ambition 1.5テスラ
高画質・高性能のMRI機器です。従来の機器と比較して高速で撮像できるようになりました。2Dおよび3Dのあらゆる撮像画像に適用可能です。
専門医や大学病院と連携している
会員制メディカルクリニックでは、専門医や大学病院と連携していることも特徴の一つです。そのため、人間ドックで何らかの異常が見つかった場合、速やかに適切な医療機関への紹介を受けられます。紹介先への予約代行も可能で、最適な医療へスムーズにたどり着けるでしょう。
健康診断と人間ドックとの違い
そもそも、健康診断と人間ドックの違いが気になっている方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、健康診断と人間ドックの違いについて解説します。
健康診断
健康診断は、主に生活習慣病の予防を目的としています。企業に属している方は、毎年健康診断を受ける必要があります。これは「労働安全衛生法」によより、すべての事業者は、労働者に対して年に一度の健康診断を実施するよう義務付けられているためです。「定期健診」や「一般健診」とも呼ばれ、身体計測や血液検査、心電図検査、尿検査、胸部X線検査などが検査項目となります。
また、40歳〜74歳までの国民健康保険に加入している人を対象とした、任意の「特定健診」を指す場合もあります。フリーランスや自営業者、定年退職後の方は、特定健診のほか各自治体で実施されている健康診断を任意で受けることも可能です。
人間ドック
人間ドックは、病気の早期発見や予防に役立つ検査です。定期健診や一般健診と異なり義務がないため、受診は個人の自由に委ねられます。人間ドックは健康診断と比較して検査項目が多く、また通常の健康診断では調べられない細かい病変の有無を調べることもあります。
健康診断で調べる項目に加え、超音波検査やCT検査、内視鏡検査、肺機能検査などが行われるほか、受診者の希望に応じてさらにオプションで検査が追加されるケースもあります。そのため、自覚症状を伴わない発症初期の病気を発見したり、将来起こりうる可能性のある病気を割り出したりすることも可能です。
会員制メディカルクラブのメリット
会員制メディカルクラブに入会すると、どんなメリットがあるのかも気になるところです。ここでは、会員制メディカルクラブのメリットを6つ紹介します。
疾患の早期発見と予防につながる
会員制メディカルクラブのメリットは、疾患の早期発見と予防につながることです。毎年の人間ドックでは、精度の高い検査機器を使用して細かい部分まで調べるため、一般的な健康診断では発見しにくい小さな病変も発見できることがあります。
また、気になる症状がない場合でも、これから起こる可能性のある疾患を見出すことができるケースもあります。早期発見によって早期治療につなげるだけでなく、これから起こりうる疾患を予防するための取り組みもおこなうことができるのです。
プライバシーに配慮して受けられる
会員制メディカルクラブでは、プライバシーに配慮して検査が受けられることもメリットの一つです。完全個室の待合室で待機できるほか、専門のコンシェルジュが他の会員と接触しないよう検査室に案内します。
そのため、会員制メディカルクラブでは、他の人と顔を合わせる心配はありません。職業上、健康状態を人に知られたくないという方や、人間ドックを受ける際に知人と遭遇したくないという方には、会員制メディカルクラブの利用がおすすめです。
リラックスできる環境が整っている
会員制メディカルクラブは、リラックスできる環境が整っていることもメリットの一つです。一般的な医療機関では、医薬品の香りが漂ってきたり、重症の患者さんが担架で運ばれる場面を目にしたりすることもあります。そのような雰囲気が苦手という方もいらっしゃるでしょう。
一方、会員制メディカルクラブでは、逼迫した医療現場や治療器具、薬剤などを目にする場面はほとんどありません。ラグジュアリーな空間を演出し、香りやBGMにこだわっているところもあります。さらに、軽食がとれるラウンジが併設されていたり、一泊二日の人間ドックを受ける際には高級ホテルでの宿泊がセットになっていたりするケースもあります。
個別性に配慮したアドバイスが受けられる
会員制メディカルクラブでは、個別性に配慮したアドバイスが受けられることもメリットといえます。高精度な検査機器を用いて細かい部分まで検査できるため、通常の健康診断と比較してより詳細な検査データを割り出すことが可能なだけでなく、これまでの検査データや既往歴などを含めた情報も管理しているため、体調の変化や遺伝的な要素・日常生活習慣を踏まえて適切なアドバイスを受けることができます。
治療が必要な場合もすぐに対応してもらえる
会員制メディカルクラブでは、各診療科の専門医や大学病院等と連携しているため、専門的な治療が必要な場合も、疾患や居住する地域に応じて最適な医療機関の紹介が可能です。その際には、コンシェルジュが必要書類の手配や予約などを代行することもあります。そのため、万が一治療が必要になっても速やかに医療機関を受診することができます。
都合に合わせて検査が受けられる
会員制メディカルクラブでは、都合に合わせて検査が受けられることもメリットといえます。一般的な健康診断では、予約できる日時が限られ、忙しい合間を縫ってスケジュールの調整を余儀なくされるケースもあるでしょう。
しかし、会員制メディカルクラブでは予約日時に厳格な制限がないため、スケジュールに合わせて柔軟に予約日を調整できる傾向にあります。会社経営者など、特に忙しい方にとっては好都合といえるでしょう。
現代人が特に注意すべき疾患
現代人が特に注意すべき疾患には、日本人の死因上位に該当する「がん(悪性新生物)」「虚血性心疾患」「脳血管疾患」が挙げられます。ここでは、がん、虚血性心疾患、脳血管疾患について解説します。
がん(悪性新生物)
がんは、遺伝子に異常が生じることで細胞が異常に増殖し、悪性の腫瘍ができる疾患です。多くは生活習慣が関係しており、喫煙や過度の飲酒、ウイルス感染、偏った食生活などの要因により発症することがあります。がんは日本人の死因第一位を占め、日本人男性の2人に1人、日本人女性の3人に1人ががんを発症するといわれています。
虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、日本人の死因第二位である「心疾患」の多くを占める疾患です。主に、高血圧や糖尿病、脂質異常症などがあることでリスクが高まる「動脈硬化」によって発症します。
動脈硬化によって心臓に血液を送る血管が一時的に狭くなる疾患を「狭心症」といい、完全に血管が詰まってしまう状態を「心筋梗塞」といいます。いずれも緊急の治療が必要ですが、特に心筋梗塞を発症すると突然死に至る恐れもあるため注意が必要です。
脳血管疾患
脳血管疾患とは、脳の血管から出血する「脳出血」、脳を保護するくも膜の下に出血する「くも膜下出血」、脳の血管が詰まる「脳梗塞」の総称です。最新の統計では、日本人の死因の第4位と報告されています。いずれも最大の原因は高血圧であり、発症すると言語障害や歩行障害など重い後遺症を残すことがある他、心筋梗塞と同様突然死に至る恐れもあります。
疾患の早期発見と予防のためには
日本人の死因上位を占める疾患のほか、その原因となる生活習慣病を早期に発見・予防するためには、定期的に検査を受けることが重要です。生活習慣病の発症リスクが高い場合などは、健康診断や特定健診では病気の発見が遅れてしまう可能性もあります。また、検査項目が限られるため、病気の発症を見落としてしまうといったことも想定されます。
生活習慣病や突然死を招く恐れのある疾患を早期に発見するためには、健康診断だけでなく、定期的に人間ドックを受けることが有効です。特に健康管理に留意したいという場合や、遺伝的な要因などによって生活習慣病の発症リスクが高い場合、健康寿命を延ばして末長く健康でいたいという場合には、個人の体質・体調の変化に応じて適切なアドバイスも受けられる会員制メディカルクラブの活用をおすすめします。
まとめ
会員制メディカルクラブは、洗練された空間の中で予防医療を受けられる会員制の病院です。高精度な検査機器による人間ドックがメインであり、一般的な健康診断と比較してより詳細な検査が可能なため、自覚症状のない疾患を早期発見に役立ちます。
また、病気の予防に関する個別のアドバイスや、医師に健康相談ができるなど、日常的に健康に対するサポートを受けられる点も魅力です。プライバシーに配慮されているため、経営者の方など人間ドックを受けていることを知られたくない場合や、人の目を気にせずリラックスして検査を受けたい方、さまざまな病気を予防して健康寿命を延ばしたいという方は、会員制メディカルクラブの利用を検討してみてはいかがでしょうか。