経営者に必要な人間ドックとは?特徴や注意点など解説

経営者に必要な人間ドックとは?特徴や注意点など解説

経営者が病気で就業できなくなったことが引き金となり、企業が倒産するケースが多くみられます。経営者の健康リスクは、企業経営における重大なリスクであるため、定期的な検査をおこない、病気の発症を防いだり早期発見したりすることが大切です。

今回は、経営者に必要な人間ドックについて、特徴や注意する点などを解説します。経営者向け人間ドックを選ぶポイントも紹介するので、自分の健康状態を見直し、安定した経営を続けられるようにしましょう。

経営者に必要な人間ドックとは

経営者に必要な人間ドックとは

経営者が突然倒れてしまうと、事業の運営が滞るリスクが予想されるため、健康管理することが何よりも重要です。企業の要である経営者に必要な人間ドックについて、推奨する検査内容や受診する頻度などを解説します。

経営者に必要な人間ドックの検査項目

エヌエヌ生命保険が2021年におこなった調査では、経営者が長期間就業できなくなる原因のなかで、もっとも多いのは「病気」と発表されています。さらに、就業不能の原因となった主な病気は、がん・脳卒中・心臓病とあるため、これらの疾患に対する検査をおこなうと良いでしょう。

具体的には、全身のがんの有無を調べる「PET-CT検査」、脳血管疾患や認知症のリスクを調べる「脳ドック」、心筋梗塞や狭心症など心臓の状態を調べる「心臓MRI検査」などが含まれる人間ドックがおすすめです。

経営者に推奨する人間ドックの特徴

経営者向けの人間ドックは、一般的な人間ドックと比べて検査内容が充実しているのが特徴です。画像診断は読影スキルの高い医師がおこなったり、精度の高い検査機器を使用したりするなど、病気を発症する前段階の、ステージ0で異変を見つけられるようにしています。丁寧に身体の健康チェックをおこなうことで、疾病予防や早期発見につながるのです。

経営者に推奨する人間ドックの受診頻度

経営者が人間ドックを受診する頻度については、健康に自身のある人でも、少なくとも1年に1回は受診しましょう。年齢を重ねるごとに、病気の発症リスクは高まります。

経営者の場合、長く健康を保つことが肝心であるため、人間ドックを受けて病気の予防や早期発見に努めることをおすすめします。生活習慣病やがんの発症リスクがある方は、体調変化をいち早くキャッチするため、半年に1回のペースで検査を受けると良いでしょう。

経営者向けの人間ドックを選ぶ5つのポイント

経営者向けの人間ドックを選ぶ5つのポイント

経営者向けの人間ドックは検査の質だけではなく、医療サポートや付帯サービスなど着目する点がさまざまあります。より良い経営者向け人間ドックの選び方を5つのポイントに分けて解説します。

顧問医による健康サポートを受けられる

経営者向けの人間ドックを提供している医療機関では、受診者一人ひとりに専属の医師やメディカルスタッフ、コンシェルジュなどが担当し、健康管理をおこないます。毎回の検査結果を一括管理しているため、ほんの少しの体調変化にも注意を払ってもらえるメリットもあるでしょう。個々の検査結果に基づいて、点滴やサプリメントなどの予防策を提案したり、適切な治療をおこなえる専門病院へ紹介したりするなど、きめ細やかな健康サポートが受けられるのです。

精度の高い検査機器を導入している

経営者向けの人間ドックでは、一般の人間ドックで使用されているものと比べて、精度の高い検査機器が導入されています。たとえば、詳細な断面画像を得られるPET-CTや描出能力の高いMRIなどは、がんや脳血管疾患の早期発見につながるでしょう。

乳がん検診では、トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)やABUS(乳房用超音波画像診断装置)といった、一般の検診では使用されることが少ない高精度画像診断機器が導入されています。乳房のタイプや検査技師のスキルに左右されない検査画像が得られるため、微小ながん組織でも見つけやすい特徴があるのです。

専門医や大学病院と連携している

経営者向けの人間ドックを提供している医療機関は、先端医療を取り入れている大学病院や、特定の疾患を専門的に治療する医療機関と提携し、受診者が質の高い医療が受けられる体制を整えています。万が一人間ドックで異常が見つかったときは、すみやかに精密検査や治療をおこなえるように、適切な医療機関の紹介をおこなっているのです。それにより、重症化する前に対応することができ、経営者が長期間就業できなくなるのを防げるでしょう。

プライバシーが厳重管理されている

経営者の健康問題が外部に漏れると、取引先や投資家の不安をあおり、事業の業績に影響を及ぼします。そのため、経営者向けの人間ドックを提供している医療機関では、受診者のプライバシー保護に力を入れているのです。

受診する際は、専用の入口や個別の待合室を設置しているところが多くあります。さらに、検査中にほかの受診者と顔を合わせることがないように、スケジュール管理を徹底しています。

質の高いサービスを受けられる

経営者向けの人間ドックを提供している医療機関では、さまざまな付帯サービスが受けられます。経営者は限られた時間のなかで人間ドックを受診するため、待ち時間が発生しないように配慮されています。通常の病院とは異なり、受診時はホテルのような高級感のある個室を準備しているところが多いです。

また、精密検査や診察の予約代行をおこなう、コンシェルジュサービスを提供している医療機関もあります。受診後に、ラウンジや屋外テラスなど軽食をとって休息できるエリアを用意している医療機関や、高級ホテルへ宿泊できるプランを設定している医療機関もあるのです。

経営者向け人間ドックと一般的な人間ドックとの違い

経営者向け人間ドックと一般的な人間ドックとの違い

経営者向けの人間ドックと一般的な人間ドックには、どのような違いがあるのか、3つのポイントに分けて確認しましょう。

検査項目

一般的な人間ドックの検査は、50項目〜60項目あります。一方で、経営者向けの人間ドックでは検査項目を約100項目近くまで増やし、未病の段階で身体の異常を見つけられるようにしています。また、PET-CT検査・MRA検査・頸部エコー検査・冠動脈CT検査・心臓MRIなど、就業不能の原因となる可能性が高いがん・脳卒中・心臓病の三大疾病に特化した検査を受けることも可能です。

サポート体制

通常の人間ドックは、検査結果について当日中に医師から簡単な説明を受けられますが、詳しい結果は後日郵送となるケースが多いです。異常が見つかった場合は、精密検査や治療のための受診を自力でおこなう必要があります。

経営者向けの人間ドックでは、検査結果の詳しい説明は医師から直接受けることが可能です。対面のみならず、オンラインや電話などでも受けられ、時間の効率化に配慮しています。

必要な精密検査などがあれば、すみやかに適切な医療機関を手配してもらえます。異常が見つからなくても、日ごろの健康相談ができるアフターフォロー体制が整っています。

費用

一般的な人間ドックの費用相場は、日帰りコースで数万円程度、宿泊コースでは10万円前後です。一方、経営者向けの人間ドックの費用相場は、日帰りコースで15万円~30万円、宿泊コースでは30万円~40万円になります。

経営者向けの人間ドックは高額になりますが、高精度の機器を使用した検査や、がん・心血管疾患の詳しい検査を受けることが可能です。ほかにも、プライバシーに配慮した専用個室やコンシェルジュサービスなど、価格に見合った質の高いサービスが受けられます。

経営者の人間ドック費用を経費にするときの注意点

経営者の人間ドック費用を経費にするときの注意点

経営者のみが受診する精度の高い人間ドックは、原則として経費の対象外です。経営者自身の人間ドック費用を経費として計上するには、以下の条件に注意する必要があります。経費として扱いたい場合は、顧問税理士にもきちんと確認を取るようにしましょう。

すべての従業員に人間ドックを受診する機会を与えている

会社がすべての従業員に対して人間ドックを受診させる場合は、経費として計上できます。病気の発症リスクが高まる40歳以上など、一定の年齢以上の従業員を対象にしているケースにおいても計上可能です。対象となる従業員は正社員だけではなく、パート・アルバイト・派遣社員も含まれます。

人間ドックを受けたすべての従業員の費用を会社が負担している

経費として計上するには、会社が人間ドック費用を全額負担していることが必須です。さらに、人間ドック費用を会社が医療機関に直接支払っていることも条件に含まれます。いったん従業員にドック費用を立て替えてもらい、後日かかった費用を支給する場合は、経費への計上が原則できません。

一般的な人間ドックの検査項目である

経費として計上できる人間ドックは、検査項目が一般的であることが条件です。一般的な人間ドックの検査項目は、身体計測、血圧測定、心電図、眼科検査、聴力検査、胸部レントゲン、上部消化管X線、腹部超音波、血液検査、尿検査、便潜血検査です。婦人科検診やPSA検査などのオプション検査は、金額によって経費にならない可能性があります。

人間ドックの費用が常識の範囲内である

一般的な日帰り人間ドックの費用は、3万円~6万円程度です。10万円を超える費用がかかる人間ドックやオプション検査については、高額で常識の範囲を超えるとされ、経費にできない可能性が高いでしょう。

一人社長の場合は人間ドックを経費にできない

一人社長やフリーランスのような個人事業主本人が、人間ドックを受診した場合、かかった費用を経費として計上することはできません。従業員が経営者の家族のみという企業も、人間ドックの費用を経費にすることはできないため注意しましょう。

経営者が人間ドックを受けた方が良い理由

経営者が人間ドックを受けた方が良い理由

高精度な人間ドックは高額になりますが、経営者の健康は「企業の大切な資産」です。経営者が倒れて就業できなくなったとき、周囲に与える影響は非常に大きいため、人間ドックの受診は欠かせません。経営者がしかるべき人間ドックを受けた方が良い理由を解説します。

企業の業績にかかわるため

経営者が倒れて、長期にわたり就業できなくなると、売上が大きく減少することが考えられます。エヌエヌ生命保険の調査によると、1ヶ月以上休職した経営者のうちの約60%が、就業不能になって経営から離れている間に売上が減少したと回答しています。さらに、売上は平均で約50%減少したと回答があり、経営者が不在になると企業の運営が立ち行かなくなるのです。

売上が減少することで、仕入れ資金や人件費などの必要な経費の財源が不足する事態に陥ります。経営者にとって、病気の早期発見のために高精度な検査を受診でき、異常が見つかったときのアフターフォロー体制が整っている人間ドックを受診することが、企業を守ることにつながるでしょう。

参照:エヌエヌ生命保険「中小企業経営者の就業不能に関する実態を調査 ~ 約6割が就業不能により売上減少し、平均で売上が約半分に ~ 」

企業の信頼を損なわないようにするため

経営者が突然倒れたり長期入院したりすると、社内だけではなく取引先や金融機関にも衝撃が走ります。企業の規模によっては、経営者個人の能力が信用力につながっていることもあるでしょう。また、経営者の体調が回復して経営に戻っても、以前と同じような働き方ができないことも多くみられます。

経営者が長期間不在になったり、安定的な事業運営をおこなえなくなったりすることで、企業価値が損なわれることがあるのです。取引先から取引条件の変更を求められたり、金融機関から融資条件の変更をされたりするなど、今後の事業継続に大きな影響を及ぼします。経営者が病気の発症を未然に防ぐには、定期的に内容の充実した人間ドックを受けることが肝心です。

まとめ

内容の充実した人間ドックの受診は、経営者にとって重要な投資

経営者が病気で倒れると、売上や信用の低下・顧客離れ・生活費の不足など、さまざまなリスクが生じます。安定した事業運営を続けるには、経営者が健康でいることがもっとも重要です。

就業不能になる主な原因には、がん・脳卒中・心臓病などを含む三大疾病が挙げられます。そのため経営者は、これらの疾患を詳しく調べられる人間ドックを受診することをおすすめします。経営者向けの人間ドックは、以下のポイントに着目して選ぶと良いでしょう。

  • 顧問医による健康相談を受けられる
  • 高精度の検査機器を使用している
  • 大学病院や専門医との連携している
  • プライバシーが徹底管理されている
  • 質の高い付帯サービスがある

内容の充実した人間ドックの受診は、経営者にとって重要な投資です。定期的に健康チェックをおこない、事業運営を安定して継続できるようにしましょう。

アクセスACCESS

医療法人社団 NIDC セントラルクリニック世田谷

〒158-0093
東京都世⽥⾕区上野⽑3-3-4
・東急⼤井町線「上野⽑駅」徒歩約5分
・駐⾞場完備

セントラルクリニック世田谷

CONTACT

ご依頼・ご相談は
お気軽にお問い合わせください。

お電話でのお問い合わせ

受付時間:平日9:00~17:00(※休診/土日祝祭日)

健診・診療に関するお問い合わせ

03-6805-9120

セカンドオピニオンに関するお問い合わせ

03-6805-9130

その他お問い合わせ

03-6805-9145