心疾患の原因となる生活習慣病をチェックしましょう
心疾患は日本人の死因の第2位です (高血圧性を除く) 。 年間20万を超える人が心疾患で亡くなります。この心疾患には、心臓の血管が詰まり、心臓が壊死する心筋梗塞や狭心症、心臓の収縮のリズムが異常になり、頻脈や徐脈、リズムの乱れがあらわれる不整脈、心臓弁膜症、心筋症などが含まれます。
生活習慣病は心疾患を引き起こす背景となることが多く、健康診断や人間ドックでは、この生活習慣病に関しての検査を行います。例えば、脂質異常症に関連するコレステロール値、糖尿病に関連する血糖値やヘモグロビンA1cなどです。生活習慣が原因となる心疾患を防ぐには、健診や人間ドックは有益です。特に年齢が上がるにつれて生活習慣病や心疾患のリスクは高くなりますし、生活習慣病や心疾患の家族歴がある方には健診や人間ドックを継続して受けていただきたいですね。
生活習慣病は心疾患を引き起こす背景となることが多く、健康診断や人間ドックでは、この生活習慣病に関しての検査を行います。例えば、脂質異常症に関連するコレステロール値、糖尿病に関連する血糖値やヘモグロビンA1cなどです。生活習慣が原因となる心疾患を防ぐには、健診や人間ドックは有益です。特に年齢が上がるにつれて生活習慣病や心疾患のリスクは高くなりますし、生活習慣病や心疾患の家族歴がある方には健診や人間ドックを継続して受けていただきたいですね。
心臓そのものの病気は、一般的な健康診断や人間ドックではわかりにくい
一方で、健診や一般的な人間ドックでは心臓そのものを調べる検査項目は心電図と胸部X線検査くらいです。そこで、人間ドックのオプション検査で心臓のCT検査、MRI検査、心臓超音波検査(心エコー検査)をお勧めします。
心臓のCT検査とMRI検査は、いずれも冠動脈の流れ、血管の詰まり具合などを見ることができ、心筋梗塞や狭心症、動脈瘤のリスクを調べられます。心臓CT検査は造影剤を用い、その排せつには腎臓に負担がかかるので、異常がなければ、検査の頻度は5年に一度くらいでよいと思います。MRI検査は造影剤を使う方がより細かく調べられますが、必須ではありません。まずは造影剤を使うCT検査と造影剤を使わないMRI検査を同時に撮影し、その後は5年ごとのCT検査、毎年のMRI検査とデータを積み重ねていけば、経年変化を見ることができます。
心エコー検査は、心臓の弁がうまく動いているか、血流が停滞していないかを調べ、心臓弁膜症や不整脈のリスクを見ます。これらの病気には自覚症状が出ないことも多いため、人間ドックで調べておくと安心です。
心臓のCT検査とMRI検査は、いずれも冠動脈の流れ、血管の詰まり具合などを見ることができ、心筋梗塞や狭心症、動脈瘤のリスクを調べられます。心臓CT検査は造影剤を用い、その排せつには腎臓に負担がかかるので、異常がなければ、検査の頻度は5年に一度くらいでよいと思います。MRI検査は造影剤を使う方がより細かく調べられますが、必須ではありません。まずは造影剤を使うCT検査と造影剤を使わないMRI検査を同時に撮影し、その後は5年ごとのCT検査、毎年のMRI検査とデータを積み重ねていけば、経年変化を見ることができます。
心エコー検査は、心臓の弁がうまく動いているか、血流が停滞していないかを調べ、心臓弁膜症や不整脈のリスクを見ます。これらの病気には自覚症状が出ないことも多いため、人間ドックで調べておくと安心です。
20年も症状がないまま静かに進行する疾患も早期発見が可能
特に私が専門とする大動脈弁狭窄症は、サイレントキラーと呼ばれています。20年くらいの長期にわたり、何の症状もないまま静かに進行し、心臓が肥大していきます。失神などの症状が出始めると2〜3年で急速に悪化します。たとえ話ですが、まるで滝壺に向かっているような状態です。流れはどんどん速くなっているのに自覚がなく、ある日突然落下します。こういった状態に陥らないためにも、早い段階での心エコー検査で早期発見することが重要なのです。
「病気が見つかるまでは知りたくない」という気持ちは私にもあるので理解できます。しかし、心臓の病気も生活習慣病も人間ドックで早く見つかれば、早く治療にかかれて治癒の可能性が高いことを覚えておいてください。1年に1回、ちょっと勇気を出して人間ドックを受け、終わったら美味しいものを食べてリラックスする、そんな習慣をつけていただけるといいですね。
「病気が見つかるまでは知りたくない」という気持ちは私にもあるので理解できます。しかし、心臓の病気も生活習慣病も人間ドックで早く見つかれば、早く治療にかかれて治癒の可能性が高いことを覚えておいてください。1年に1回、ちょっと勇気を出して人間ドックを受け、終わったら美味しいものを食べてリラックスする、そんな習慣をつけていただけるといいですね。
<連携医師紹介>
さまざまな心臓の病気について、患者さんそれぞれにオーダーメイドの治療を行います
患者さんが早く元の生活に戻れるよう、速く正確に治療することが重要と考えています
中学3年生のときに手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』を読み、外科医を志しました。
外科医になってすぐの頃は、自分の手技を高め、手術のスピードや件数を上げることを重要視していましたが、次第に考えが変わってきました。外科医にとって手術はある意味日常ですが、患者さんにとっては後戻りできない、一生の中でもほんとうに重要な出来事です。患者さんにはそれぞれに事情があり、病状も異なるため、オーダーメイドの治療が必要であること、外科医は患者さんが早く元の生活に戻れるように速く正確に治療することが何よりも求められていると実感するようになりました。
中でも社会復帰までの時間を短くするために、手術の傷を小さくすることを長年考え続けています。
心臓手術においては、従来は、胸の真ん中にある胸骨を25cmほど切り開いて心臓に到達していました。1990年代から、骨を切らず、肋骨の間を6cmほど切開する小切開手術が広がっていきました。
私は早期から小切開手術の方法を開発する一方で、1999年にそれまで心臓外科では使われなかった内視鏡を導入し、世界初の完全内視鏡下での冠動脈バイパス手術を行いました。2005年からは外科手術支援ロボット“da Vinci Surgical System”を用いた手術を始めました。2009年からは先進医療として認められ、研究と治療を進めました。その結果、2018年にロボット支援手術による僧帽弁形成術、三尖弁形成術の保険適用につながりました。
2014年に設立したニューハート・ワタナベ国際病院では、ロボット支援手術は現在、世界一の症例数となっています。そして、今、より高度な大動脈弁閉塞不全症の内視鏡手術を開発中です。
2023年4月には、低侵襲成人先天性心臓病手術センターを開設しました。先天的な心臓の病気で小児期に手術を受けた患者さんたちは大人になると小児心臓外科での診療が難しくなります。そこで、日本の小児心臓外科の要である国立成育医療センター心臓外科診療部と連携し、目安として16歳以上の先天性心臓病患者さんの手術を集約して行えるようにしていきます。
当院は、さまざまな心臓の病気の迅速な診断・治療のために、紹介状なしでも診察を受けていただけるようにしています。また、メールやLINEによる無料相談、オンライン診療も実施しています。
外科医になってすぐの頃は、自分の手技を高め、手術のスピードや件数を上げることを重要視していましたが、次第に考えが変わってきました。外科医にとって手術はある意味日常ですが、患者さんにとっては後戻りできない、一生の中でもほんとうに重要な出来事です。患者さんにはそれぞれに事情があり、病状も異なるため、オーダーメイドの治療が必要であること、外科医は患者さんが早く元の生活に戻れるように速く正確に治療することが何よりも求められていると実感するようになりました。
中でも社会復帰までの時間を短くするために、手術の傷を小さくすることを長年考え続けています。
心臓手術においては、従来は、胸の真ん中にある胸骨を25cmほど切り開いて心臓に到達していました。1990年代から、骨を切らず、肋骨の間を6cmほど切開する小切開手術が広がっていきました。
私は早期から小切開手術の方法を開発する一方で、1999年にそれまで心臓外科では使われなかった内視鏡を導入し、世界初の完全内視鏡下での冠動脈バイパス手術を行いました。2005年からは外科手術支援ロボット“da Vinci Surgical System”を用いた手術を始めました。2009年からは先進医療として認められ、研究と治療を進めました。その結果、2018年にロボット支援手術による僧帽弁形成術、三尖弁形成術の保険適用につながりました。
2014年に設立したニューハート・ワタナベ国際病院では、ロボット支援手術は現在、世界一の症例数となっています。そして、今、より高度な大動脈弁閉塞不全症の内視鏡手術を開発中です。
2023年4月には、低侵襲成人先天性心臓病手術センターを開設しました。先天的な心臓の病気で小児期に手術を受けた患者さんたちは大人になると小児心臓外科での診療が難しくなります。そこで、日本の小児心臓外科の要である国立成育医療センター心臓外科診療部と連携し、目安として16歳以上の先天性心臓病患者さんの手術を集約して行えるようにしていきます。
当院は、さまざまな心臓の病気の迅速な診断・治療のために、紹介状なしでも診察を受けていただけるようにしています。また、メールやLINEによる無料相談、オンライン診療も実施しています。